儲かる?!ホテルの舞台裏

私はレジャーホテルを経営しています。 レジャーホテルとは、世間でカップル限定ホテルやブティックホテルなどと呼ばれる、俗にいう「ラブホテル」のことです。 最近ではおしゃれな雑誌や旅行誌などにも取り上げられ、シティホテル、リゾートホテルなどと同じく、一般的にひとつのカテゴリーとして確立されている、世間に認知されたホテルです。 私はそんなレジャーホテルを現在、グループ直営3店舗、総合管理およびコンサルティング3店舗、合計6店舗の運営管理を行っています。

私が職業を話すと、ほぼ間違いなく言われる言葉が2つあります。それは「儲かるでしょ」と「隠しカメラあるでしょ」という言葉です。 私はそんな質問をしてくる人たちに必ずこう聞き返します。

レジャーホテルにどんなイメージをお持ちですか?

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人それぞれいろいろなイメージをおもちだと思いますが、ハッキリと私が言うのは、けっして世の中の人たちが考えているものとは違い、健全で明るいまっとうな仕事だということです。 世界中を探しても他に類を見ない「レジャーホテル」は現在、日本のひとつの文化になっているといっても過言ではありません。その独自の発展の歴史や現在確立されているサービス形態はどれをとってもユニークなものばかりです。 ですから、必ず聞かれる「儲かる」と「隠しカメラ」の2つの質問はその歴史認識から来る言葉だと思っています。つまり、世間一般的に「レジャーホテル」が健全なものだと見られていない表れでしょう。

ここでまたみなさんに質問です。

最近のレジャーホテルを利用されたことはありますか?

私はホテルというのは総合サービス業だと考えています。現在のレジャーホテルは宿泊できることはもちろん、飲食、娯楽、さまざまなサービスが凝縮されているのです。 一流のシティホテルに引けをとらない洗練されたデザイン。キングサイズのベッドはもちろん、42インチ以上の大型テレビ、カラオケ、インターネット、七色に変わるジェットバスやジャグジー、テレビまで完備した浴室では豪華な泡風呂を楽しめます。またVOD(ビデオオンデマンド)、リクライニングチェアに座りながら5.1chサラウンドスピーカーと100インチのスクリーンで映画を楽しむことができます。 一流のシティホテル以上の設備や各種イベント、お客さまが満足を得られるように考え出されたサービスの数々。それでいて金額はとてもリーズナブルです。 どれをとっても恥ずかしいものはないはずなのに、世間の評価は厳しい。 また、一見すると派手なレジャーホテルですが、実はその裏側には、知られざる企業努力があり、それを支えるパート・アルバイトさんたちの努力があります。

ホテルは生きています。日々変化し、お客さまに最高の客室を提供するため、さまざまな試行錯誤の末に、現在のレジャーホテルがあります。 本書は、レジャーホテルを支える柱のひとつであるパート・アルバイトさんたちに焦点を当て、いかに企業経営の重要な戦力として働いていただくか、そのために作った仕組みやエピソードをご紹介いたします。 「レジャーホテル」を経営している者として、みなさんの認識を180度とはいいませんが、少しでもこのレジャーホテルに携わる私たちや働くスタッフたちの姿を見て、健全なものだと感じていただきたいと思い、この本の執筆にいたりました。

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押さえつけの管理から協力体制へ

この仕事をはじめた頃はスタッフたちと衝突してばかりでした。日々の業務の重要な狙い手はパート・アルバイトですが、いちばん忙しい土日に突然何人も出社しなかったり、最悪な状況を経験したこともあります。いくら上から管理しようとしても、そう簡単に人は思いどおりに動いてはくれません。その「負のスパイラル」を断ち切るために、根本的な考え方をあらためなければならないのだと、あるとき気づきました。 まずは自分が求めているものを明確にしました。もちろん自分ひとりの力では実現できませんから、現場で働いている人たちに協力してもらい、よくなるためにどうしたらいいかをいっしょに考えていきました。そして、人との接し方が変わり、次第に職場そのものが変わっていったのです。

人が変われば 会社は変わります。

ホテルの業績は上がり、それに反比例するように離職率は下がりました。以前は人手不足に悩み、3か月に一度ほど出していた求人広告に頼るしかありませんでした。今ではほとんど募集する必要もなくなりました。悪循環だったものが、すべていい方向へと転換したのです。 そして07年6月、株式会社レジャークルーを設立しました。 試行錯誤を重ねて「こういう仕組みを作ればうまくまわっていく」というノウハウが確立できました。今ではそれを応用し、レジャーホテルの運営管理を行っています。 中小企業にとってパート・アルバイトは重要な戦力です。今や彼らの存在なくして経営は成り立ちません。 本書でご紹介するノウハウは誰もが実践できることです。

考え方が変われば人は変わり、人が変われば会社は変わる

まずはあなた自身が変わることからはじめてみませんか?

episode:「マネジャーたちの意識改革」

経営者である私の意識が大きく変わることで、直接的に関わることの多いマネジャー陣の意識が変わりました。はじめは私の言葉が通じないこともありました。しかし、相手の立場に立った行動や、彼らのことを本当に想っていると伝え続けることで、マネジャーたちが変わっていきました。私がたんなる雇用主なのではなく、ともに成果を作り上げ、彼らの成功が私の成功であることを何度も話し、彼らとの人間関係が構築され、徐々に信頼関係が形成されていきました。

ある社員は、マネジャーという役割を単に命令する人間だと考えていました。自分から動くことはなく「あれ持って来い、これ持って来い」と伝えるだけ。自分のことは棚に上げて「なんでできないんだ!」と言うこともしばしばあったといいます。 ある日、いつもどおりに彼が出勤すると、パートさんたちに取り囲まれたことがあったそうです。そして、こう迫られました。

「給料を上げろ!」

そこに冷静な話し合いはありませんでした。パートさんから面と向かって「一緒に働きたくない」と言われたこともあるといいます。 そんな彼も、やがて自分自身を成長させていこうと今までとは反対の方向へ、舵を切るようになりました。自分がどれだけ甘えてきたのかわかったのでしょう。

とはいえ、いったん崩れてしまった人間関係はなかなか元には戻りません。それでも彼は諦めず、常に自分から話しかけるように努力し、率先して清掃やフロント業務に精を出すようになりました。そんな彼の姿を見て、パートさんたちの目は徐々に変わりました。 なかでも長いあいだ打ち解けられなかったアルバイトの子がいました。その子も人付き合いがあまり得意ではありませんでしたが、彼のほうから諦めることはしませんでした。 そして最近のことです。少しずつ歩み寄っていく関係を1年ほど続けたある日、そのアルバイトの子から彼にメールが来ました。

2人の人生を大きく変えた、そのメールの内容とは・・・?続きはぜひ本書をご覧ください。

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